金属と合金
目次
金属の性質
①金属光沢
金属の固体は磨くと主に銀白色の金属光沢を出します
②展性
圧力をかけると容易に変形する性質
③延性
線状に引き延ばすことのできる性質
④熱伝導性
熱を伝えやすい性質
⑤電気伝導性
金属固体の価電子は特定の原子や結合に属せず、金属全体を自由に移動できる。このような電子を自由電子と呼び、この電子があるため金属は電気を通しやすくする性質を持ちます。また、自由電子によって金属が結合することを金属結合と言います。
合金について
異なる金属元素を混ぜて、溶かして冷やすことでできる金属固体を合金と言います。合金の中には、一方の金属がもう一方の金属の中にランダムに分布している固溶体と、互いの原子の数の比率が一定で、特定の構造を持っている化合物があります。
固溶体の種類
多くの固溶体はこの二つに分けられます。
置換型固溶体
もともとあった金属原子の位置に溶質の金属原子がいくつか置き換わっている状態。互いの金属結晶の構造が同じで、原子半径が約15%以内で一致していて、電気的陽性の程度が似ていると置換型固溶体が生成される。
例:黄銅・青銅など
侵入型固溶体
小さい原子(ホウ素、炭素など)が、金属結晶中の隙間(四面体間隙や八面体間隙)に入り込むことで生成される。
例:炭素鋼など
主な合金の例
黄銅
置換型固溶体の例として出しました。一般的な黄銅は銅65%、亜鉛35%ですが、亜鉛が20%以上であれば黄銅と呼び、亜鉛は最大38%入ることができます。注)百分率は原子数に関するものです。
青銅
これも置換型固溶体の例として出しました。青銅は銅を主成分としてスズ(錫,Sn)が混ざっていますが、ものによっては亜鉛や鉛が混ざっていることもあります。十円玉は青銅の典型的な例ですが、銅95%、スズ1~2%、亜鉛3~4%でできています。また、鋳造用の青銅では銅85%、スズ10%、鉛5%でできています。
ステンレス鋼
置換型固溶体。鉄に12%以上のクロム(Cr)が含まれている。
ニクロム
ニッケル(Ni)とクロムを主成分としたもので、電気ストーブの電熱線によく使われている。