化学式の作り方
目次
反応物と生成物
例えばこんな化学式があったとします。
左辺にある物質が反応することによって右辺の物質になることを示していて、この例では、二つの水素分子が一つの酸素分子と反応して、二つの水分子が形成されることが分かります。また、この時の左辺にある物質を反応物、右辺にある物質を生成物といいます。
化学式の係数を求める
メタンガス(CH₄)を燃焼させることで二酸化炭素と水が生成する過程を化学式で表していこうと思います。反応物はメタンとその燃焼に必要な酸素で、二酸化炭素と水が生成物だとわかります。左辺と右辺に書くべき物質はこれでわかりましたが、それぞれいくつの分子が必要なのかはわかりません。なので、とりあえずそれぞれの係数をa,b,c,dに置き換えていこうと思います。
置き換えた文字の値を求めるために、この化学式からわかる数式を立てていきます。具体的には、反応の前後で原子の数が多くなったり少なくなったりすることはないので、各種類の原子の数をイコールで結んでいきます。
例えば炭素原子についての式を立てるときには、反応物中の炭素原子はメタン1分子中に1つ存在し、生成物中の炭素原子は二酸化炭素1分子中に1つ存在しているので、a=cが成り立ちます。左辺が反応物中の炭素原子の数、右辺が生成物中の炭素原子の数で、それぞれの数が一緒であることを表しています。
そうすると、以下のような炭素、酸素、水素と3つの式を立てることができます。
では、これらの式を整理していきましょう。ここでの整理はそれぞれの文字を同じ文字で表すことが目的なので、今回はb,c,dをaで表していきましょう。
まず、cは①からc=aと求められ、dは③の式の両辺を2で割ってd=2aと求めることができます。bは少し難しいですが、先ほど求めたcとdの値を②の式に代入すると、2b=2a+2aとなり、b=2aと求められます。よって、b,c,dは以下のようになることが分かります。
これらを先ほどの化学式に代入していきましょう。
そしてこの化学式全体をaで割ると・・・
これで化学式が完成しましたね。今回は全体の係数がaを使って置き換えれるようにほかの文字を整理していきましたが、bやcでもいいので、どの文字でそろえるのかはその時の問題によって計算しやすいように決めてもらって大丈夫です。